予兆

ドーベルマン
よし……なんとか振り切ったようだ。
Ace
この調子で進めば、じきにこのエリアも抜けて、南側の出口まで辿り着けそうだな。
ドーベルマン
……それにしても、進むにつれて辺りが騒がしくなってきたようだが……
大方、チェルノボーグを離れようとした市民たちが、レユニオンと衝突しているのだろうな。
アーミヤ
……
Ace
ふむ。どうやら、チェルノボーグとの連結を切って、離脱した区画もあるみたいだが……
そっちに乗り遅れた連中が、レユニオンともめてる……ってとこだろう。
ニアール
……そうか。
Ace
——
俺の記憶じゃ、大きな広場だったはずだ。しかし今となっちゃ「広場だったもの」って感じだな……
……感染者を虐げ続けたこの都市が、ついに報いを受けた……ってわけか。
ドーベルマン
……Ace、お前――
ここで、なにかあったのか?
Ace
ああ、いや。……昔の話さ。
アーミヤ
――空が……ますます暗くなってきましたね。
空気も、なんだか……焦げたような匂いがしますし……
市民
な、何をする――ひっ! や、やめてくれっ!!
レユニオン構成員
黙れッ、お前らが悪いんだ! 俺たちの怒りを思い知れ!
市民
うっ……うわあああっ!!
Ace
————!
今の声、民間人か?
ドーベルマン
……私にも聞こえはしたが……
あの声の主が何者かまではわからんぞ。
アーミヤ
――待ってください、あれは……レユニオン!
アーミヤ
誰かを攻撃しているようです! 助けに――
Ace
待て! この地形では、優位に立つのはまず無理だ。……非情なようだが、俺たちも無理を通せるほどの余裕はないぞ。
――いいか、アーミヤ。確かに、命は大切なものだ。しかし、お前自身の命にも、同等の価値があることを忘れるな。
アーミヤ
……っ、Aceさん……
ドーベルマン
――! 奴ら、トドメを……!
チッ……なんにせよ、あれではもはや完全に手遅れだな……
……これ以上気にかけてはやれん。我々も、未だ危機的な状況にあるんだ。先を急がなければ……
ニアール
……皆、聞いてくれ。
――悪い知らせだ。
レユニオン構成員
行くぞ。
レユニオン構成員
――奴らを、皆殺しにしてやれ。
ニアール
――レユニオンの部隊に、広場の出口をすべて塞がれた! 気をつけろ……! こちらへ向かってくるようだ!
ドーベルマン
やるしかないか……! 全員、構えろ! 応戦するぞ!