哀悼を拒んで
Stormeye
ターゲット排除。
クロージャ
Stormeyeちゃん、四時の方向へ二連射して。
Stormeye
壁の支柱に?
Stormeyeは不思議に思ったが、躊躇うことなく矢を二本続けて射った。
Stormeye
放った瞬間に地形が変化して障害物がタイミングよく消え、敵に命中した……
クロージャさん、一体どうやったんですか!?
クロージャ
へへ、あたしじゃなくて、ZOOTが計算したんだよ。
今度は六時の方向だよ。そのまま飛び込んで。空洞の下の源石クラスターに怖がる必要はないから。
Stormeye
ハッ。
彼が真っ直ぐ飛び込むと、地形が再び変化した。終わりのない落下を始めるも、呪文で編まれたロープが彼を引くのだった。
Logos
クロージャの計算は正確である。
ここで長らく待っておったぞ。
Stormeye
ではこれからは?
Logos
指示に耳を傾け、目を閉じ前進する。
ロスモンティス
視界範囲内の敵は全部排除したよ。
隔離エリアの防衛線は確立できた。
ブレイズ
やるぅ、小猫ちゃん!
うーん、でも私にもっと残しておいてくれてもよかったけどね。
次はどうしたらいい?
クロージャ
あと三十秒後。
敵が正面から現れるから、全力で排除して。
そっちの方向でドクターが通らなきゃいけない道に通じる新しい通路が開くから。
ブレイズ
オッケー! これで諸悪の根源にもう一回悔しい思いをさせてやれるね!
小猫ちゃん、今回は私に先にやらせてよね?
Mechanist
だめだ! クロージャ!
周囲の建築構造が収縮し始めた。押し潰そうとしてきている!
放ったドローンも通行可能なルートを発見できず、補強設備も長くは持たない。
クロージャ
今計算してるとこ!
ZOOTが膨大な情報を同時に処理してるから、もうちょっと待ってあげて!
6、5、4、3、2……1!
Mechanistちゃん、上見て!
Mechanist
……?
影の中の天井が歪み始め、冷たい光を放つ切っ先が、未知に通ずる通路を切り開いた。
するとそこから手が伸びてきた。
Miseryの声
あんたが助けを求めていると聞いた。
時間がなくて、非常手段を用いるしかなかったんだ。
しっかり掴まってくれ、Mechanist!
皆があんたを待っているぞ。
Mon3tr
(怒ったような雄たけび)
(咆哮)
(エネルギーを溜める)
(焼けつく光線を放つ)
激しく放たれた光線は源石結晶体が集まってできた包囲網に巨大な突破口を作ると、そのまま遠くまで伸び……さらに多くの源石結晶体を倒す――
しかし突然、それは何かの力に遮られた。
???
すっごい力だね!
ブレイズ
でもドクターを傷つけないようにね、Mon3tr。
ロスモンティス
みんな位置についたよ。
あなたが皆を率いて暗闇の中から現れる。
Mon3tr
(嬉しそうに体を揺らす)
アスカロン
随時私に合わせられるようにしてくれ。
Misery
安心しろ。
Logos
呪文が随行する。
Mechanist
あれが……石棺か? 本艦内にずっと隠されていたのか?
クロージャ
ケルシーの信号が弱まってるのをZOOTが検出したよ!
急いで確認しないと。
Touch
ケルシーさんが中に?
Raidianさんによれば、彼女の状態はあまり楽観視できないようです。
Raidian
ドクター、できるだけすぐに彼女をそこから出してあげないと。
このままだと……彼女の身が心配だよ。
Pith
軽率な行動はできない。ケルシーと石棺の状況をしっかり把握できているわけではないんだ。
当時の作戦記録によると、チェルノボーグにおいても石棺に接触した者がおり、最終的に我々の想定していなかった異変が起きた。
あなたは何一つ躊躇うことなく石棺へと向かう。
あなたは冷たい石棺に触れた。それは……あなたに応えている。
いや、ケルシーが応えているのだ。
アーミヤ
……
ケルシー先生――
弱々しい声
……ちょうどいいタイミングに来たな。
ロドスは……どうなった……
あなたは石棺の中の人物に手を伸ばした。
彼女があなたの手を握る。あなたはかつてないほど彼女が弱っているのを感じた。
ケルシー
私を気にかける必要はない……
石棺を通じてPRTSに介入することは困難だった。だが思いがけずある贈り物を受け取った。
PRTSとプリースティスに関するさらなる情報を、すぐに君たちに共有する。
Mon3tr
(緊張した雄たけび)
ケルシー
恐れることはない、Mon3tr。私はまだ君の前に立っている。
君を置いていきはしない。
ドクター、Abyssに通じる道はすでに見つけた。
この混乱を終わりにしよう。
ここは干渉が非常に強い。Abyssのかなり近くまで来ている。
アーミヤ
ですがここには道がありません。Abyssは完全に隠れてしまっています――
ケルシー
この距離ならば、Abyssの位置ははっきりと推測できる。
ケルシーは最も奥深くにある壁の前に立ち、しっかりと息を吸い込んだ。
彼女はここまで奥に来たことはない――
Mon3tr
(焦ったように低く唸る)
あなたはケルシーの傍に歩み寄った。
アーミヤ
私もいますよ、ケルシー先生。
ケルシー
……今回は、本当に違う結末になるかもしれないな。
石棺を通じて一部の権限を残しておいた。私が道を開こう。
ケルシーがあなたたちとAbyssとを隔てる壁に触れた。
クロージャ
「ゼロスオーダーオイルタンク」……ありがとね。
本艦もついに止まったよ。
ケルシー
Mon3tr、ドクターを守れ。
今後全ての行動はドクターの状況を鑑みて独自に判断していい。未知の敵の脅威からドクターを守るんだ……
またドクター自身に何か異常が起こった場合にも、君はドクターを止める必要がある。
Mon3tr
(信頼するように低く唸る)
ケルシー
アーミヤ、ドクターの状態に常に気を払っておいてくれ。
ひとたびAbyssに入れば、現実に対する我々のあらゆる認識に衝撃が与えられる恐れがある。
常に危険と隣り合わせであるが、君とドクターの安全が最優先事項だ。最終的な脅威に対応できるのは、君たちだけなのだから。
アーミヤ
はい……気をつけます。
ケルシー
君の本心を信じていればいい。
ドクター、この局面がこんなにも早く訪れるとは思っていなかった。
しかし内なる宇宙とトリマウンツでの経験で、私は多くのことを考え直した。君はすでに別の可能性を見せてくれたからだ。
これから起こる全てが君にとって、私にとって、またロドスの全員にとって未知数だ。
だから、ドクター、教えてくれ――
直面するであろう危険に対して、君にはまだ躊躇いがあるか?
Mon3tr
(同意してケルシーをつつく)
(不安げに低く唸る)
ケルシー
Abyssを開くためのプログラムはすでにアクティベートし、船室を起動するために必要なエネルギーも準備は整っている。
しかし私はAbyssに入るための完全な権限を持ち合わせていない。
ブレイズ
えっ?
じゃあじゃあこじ開けなきゃいけないの? それならMiseryが何とかできるかも。
ケルシー
(首を横に振る)
Abyssの秘匿性と安全性はテラ全体においても最高レベルだと言える。現状ここを開くことのできる権限を持つのは一人だけだ。
ケルシーの視線が自身に向けられているのをあなたは感じた。
アーミヤ
……ドクター?
ケルシー
十七年前、ようやく「ロドス・アイランド」号を見つけた時、そのほとんどの構造が長い歳月の中で侵食により破壊されていた。
唯一コアに位置するAbyssとその周囲のエリアのみが完璧なまま保たれていた。
Abyssの中の未知のエネルギーによって、PRTSは止まることなく稼働し続け、その後我々が頼りとする指揮システムの根底たるフレームワークとなった。
しかしAbyssは誰にも開かれたことがなく、今ではもう……万年を超える。
ケルシー
三年前、「アナンナ」が完全に降臨して以来、危機が訪れる速度はすでに予想を超えていると私は悟った。
あの混乱は我々の多くが身をもって体験した。あの時に感じた遺憾と悲痛が、あの出来事を今も記憶を新しいものとしている。
アスカロン
……
アスカロンが黙したまま仕込み刀を構え、あらゆる突発的な危機に備える。
Raidianがアスカロンのわずかな異常を察知し、いつものようにアーツでアスカロンを、そしてその場の同僚一人一人をなだめた。
ケルシー
ここ三年、我々は本艦の防御を強化し続け、ロドスを内部から瓦解させようとする脅威にいかに対処するかの訓練を行ってきた。
各オペレーターが一丸となって協力したおかげで、予期せぬ事態が発生した際、危機の根源を迅速に特定できるようになった。
ケルシー
しかしながら、我々はすでに濃霧の縁に来ており、この先は完全なる未知だ。
私にも躊躇いはあった。しかしドクターの言う通りだ。これまでそうしてきたように、我々であればこの危機を解決できる。
なぜならば我々は常に共にあるからだ。
Logosは骨筆を軽く振り、言葉が彼の口から出ると、庇護がそれに続いた。
Mechanist
ここまで足並み揃えて行動するのは随分と久しぶりだな。どんな気分だ、Logos?
Logos
集中せよ。
アーミヤ
これまでの情報から判断するに、AbyssにあるのはPRTSのコアアセンブリだけではないはずです。
その中の石棺にて「プリースティス」という名の個体が休眠している可能性が極めて高いです。
ケルシー
もしプリースティスが目覚めたなら、彼女を最速で排除することに全力を注いでほしい。
これは想定外の事態を避ける最善の方法だ、ドクター。
目覚めた瞬間こそが彼女の最も弱っている時だ……今の環境に適応するにも時間を要するだろう。
アーミヤ
ドクター……?
目の前の壁に触れたあなたは、不思議な感触に鼓動が早まる。
あなたには直感があった。この場所はあなたを待っている。あるいは……この場所はそもそもあなたのために存在していると言うべきかもしれない。
壁が震えている。警報音が聞こえた気がした。それは鼓膜を突き破ろうとしているかのように思えた。
あなたは一瞬ぼんやりとする。その耳障りの音は現在からやってきているのか、それとも過去からか?
アーミヤ
Abyssが変化しています!
壁面が不規則に動き始め、一本の亀裂が生まれた。
そこから気流が噴き出した。
Logos
「ベール」。
バンシーの呪文が形なきバリアとなり、荒れ狂う気流を遮った。
アスカロン
下がれ、ドクター。
全員警戒しろ。
Mon3tr
(高ぶった雄たけび)
ピンク色の糸がアーツユニットから渦を巻いて昇り、黒い王冠が彼女の頭上に浮かび上がる。
Mantraの声もあなたの心の中で響く――
あなたたちは亀裂の向こうの空間に踏み込んだ。