昔話
アダクリス人A
あの変なガキったらすげぇな! もう何人も倒したぞ!
アダクリス人B
わけわかんねぇこと言ってるが、大したヤツだ!
アダクリス人C
あいつが大族長になるのも悪くねぇな!
トミミ
……ガヴィルさんの仲間、ほんとに強いですね。
ガヴィル
ああ。戦闘では頼りになる。こういう時の悩みのタネでもあるんだけどな。
ようやく落ち着いてきたな、そろそろアタシがケーちゃんを黙らせるとしよう……
ケオベ
なんだ、レユニオンめ、また来たのか!
ドクターを攫ったのはお前たちだったんだな!
逃げるなー!
ガヴィル
おいちょっと待て! どこ行くんだ!
アタシが追う! トミミ、お前はドクターと一緒に待っててくれ!
トミミ
あっ、はい!
トミミ
……
あっ、また次の戦いが始まりましたね。
……ドクター、ガヴィルさんは外ではどんな感じなのか、教えていただけませんか?
ガヴィルさん、外でも元気に過ごしているんですね。
……
もしかしてドクターは、ガヴィルさんとはそんなに親しくないんですか?
よかったー! あっ、いえ、すみません。ドクターはガヴィルさんと一緒に来ましたし、ガヴィルさんもドクターのことを気に入ってるようだったので、てっきり仲良しかと……
でも大丈夫です。ガヴィルさんは優しい人ですから、きっとすぐに仲良くなれますよ!
トミミ
よかった、お医者さんになっても、やっぱりガヴィルさんはガヴィルさんなんですね!
昔と全然変わってなくて……なんだか嬉しいな……
トミミ
あの、変なことを聞くんですが、もしガヴィルさんがドクターの下から離れると言いだしたら、どう思いますか?
やっぱりそうですよね。私もあのときはいっぱい泣きました……
トミミ
ど、どうして黙るんですか! ガヴィルさんみたいな素晴らしい方がいなくなる事を想像して、なんで落ち着いていられるんですか!
ドクターはすごいですね……私にはできません。
私は……ガヴィルさんに帰ってきてほしいって、ずっと願っているんです。
トミミ
ドクター、その、ガヴィルさんに関しては、わ、私、絶対に負けませんから!
トミミ
あのときは……
ガヴィル
なんだ、大人も案外大したことないんだな。
まだアタシに挑戦したいヤツはいるか!?
アダクリス人A
大人をこんなにあっさり倒すとは……
アダクリス人B
大したもんだな、ガヴィルは!
アダクリス人C
もしかしたら本当に大族長になっちまうんじゃねぇか?
???
私がやる!
ガヴィル
なんだ、お前かよ、ズゥママ。
大好きな機械いじりはもういいのか? ったく、アタシが訪ねてもいつも無視するくせによ。
ズゥママ
……最後に、試したくなったんだ。
ガヴィル
試すってなにを?
ズゥママ
私の拳で、お前を倒せるかどうかを。
ガヴィル
なに遺言みたいなこと言ってんだよ。
ズゥママ
黙れ。今日は絶対負けないぞ、ガヴィル。
ガヴィル
へっ、やってみりゃいいさ!
トミミ
結局、昼から夜まで戦っても、勝負はつきませんでした。
最後には二人ともそのまま力尽きてしまって、他の人たちに祭典の舞台から放り出されました。
これがガヴィルさんが初めて参加した祭典での出来事です。
ズゥママは、当時は近くに縄張りを持っていた部族の人です。
小さい頃、ズゥママは毎日のようにガヴィルさんと喧嘩をしていました。もちろんガヴィルさんのほうが強かったんですが、ズゥママも殴られっぱなしだったわけではありません。
しかしある日を境に、彼女は喧嘩をきっぱりやめて、機械弄りに没頭し始めたそうです。ガヴィルさんがそう言ってました。
そして祭典のあの日が、ガヴィルさんとズゥママの最後の喧嘩になりました。
その後ズゥママは、みんなに顔を見せることすら稀になりました。それから彼女の部族は引っ越してしまって、以来、私は彼女を見ていません。
ガヴィルさんが出て行く前に乱入した祭典にも、ズゥママはやって来ませんでした。
ガヴィル
ただいま。
トミミ
ガヴィルさん! おかえりなさい。大丈夫でしたか?
ガヴィル
ああ。しかし足が速いなぁケーちゃんは。一瞬で消えちまった。
でもあれだけ強けりゃ、心配する必要もないだろ。トミミ、ズゥママは来たか?
トミミ
まだです。
アダクリス人
他に挑戦者はいるか!
???
私が出よう。
ガヴィル
おっ? ちょうどいいとこに戻ってきたみたいだな。