ペンギン急便
フランカ
お掃除お~わり、っと!
それにしてもこいつら、確かに相当準備してきてたみたいね……
ほら、みんなも急いで!
ミーシャ
はぁ、はぁ……もう……一体、なんなの……これ……
アーミヤ
みなさん、ペースを上げてください!
リスカム
――アーミヤさん、後ろから追手が来ています。
ここは迎撃しておくべきでしょうか?
アーミヤ
いえ、今のところは必要ありません。
戦わずに済めばそれが一番ですし……できるだけ振り切ってしまいましょう。
リスカム
確かにこの状況では、確実に安全を確保して、などとは言っていられませんしね……
こうなれば、なるべく早くスラム街から抜け出して、チェン隊長の待つ合流地点に辿り着かなくては。
なにしろ、レユニオンはこちらの動きに気付いているようですし……
時間をかければかけるほど、危険も大きくなるでしょうから。
エクシア
そういうことなら任せて! 向こうさんがぜ~ったい予想もしてないようなルートを一つ知ってるよ!
リスカム
本当ですか? そんな妙案が……?
エクシア
ほんとほんと! あたしを信じてよ!
まあ、マジで使えそうかどうかは、一回確認してみないとなんとも言えないけどね~。
リスカム
では、そちらはお願いします。
エクシア
りょうか~い! そんじゃ、パパッと行って、ササッと戻ってくるからね!
なんかあったら、ペンギン急便のほかの誰かに連絡してちょ!
ミーシャ
……
……ねえ、ところで……どこに向かってるのか、教えてくれない?
アーミヤ
今は、近衛局の方との合流地点に向かっているところです。
彼らであれば、責任を持ってあなたを保護してくれますよ。
ミーシャ
……えっ?
……近衛局、って言った……?
アーミヤ
はい。今の私たちの任務は、あなたを近衛局の保護下まで送り届けることですから。
ミーシャ
……そう。
……ちょっと信じかけてたのに。あなたたちは本当に、私を助けに来てくれたんだ、って……
アーミヤ
そんな……あなたを助けに来たというのは、本当なんです。
私たちは元々、感染者の一部を保護してもらえるよう、龍門に依頼するつもりでしたし……
ただ、近衛局が我々の報告を聞くと急に、ミーシャさんを引き渡してほしいと言い出したのは事実なのですが。
それでも……龍門では、近衛局の保護を受けるのが一番安全だと思いますから。
私たちの判断を、信じていただけませんか。
あなたを追っている感染者たちの多くは、レユニオンのマークを身につけていましたし……彼らのような危険な組織から、あなたを守りたいんです。
ミーシャ
……そのレユニオンがどんな連中かなんて、私は知らないけど……近衛局のことは知ってるし、感染者にどんな態度を取るかってこともわかってる。
私を捕まえたいだけなら、最初からそう言ってくれればよかったのに……
アーミヤ
……そんな誤解をさせてしまって、ごめんなさい。
それでも……私たちはどんなに悪く思われてもいいですから……どうか、しばらく辛抱してくれませんか。
今はあなたの安全が最優先ですから。
そうして、このあと改めて時間を取れたら、もっときちんとお話をさせてください。
私自身、知りたいこともありますし……
ミーシャ
……