見聞少なく怪多し

アーミヤ
これで、周囲のレユニオンは制圧できましたね。
ホシグマ
やれやれ……単なる足止めにしては、やり過ぎなくらいの相手でしたよ。
さて、チェン隊長のほうは……
影も形もありませんね。
アーミヤ
これは、まずいですね……
ホシグマ
通信にも……応答しない、と。相変わらず、困ったお人だ! かくなる上は……
ホシグマ
近衛局各員に告ぐ! 突入するぞ、準備を――
アーミヤ
ホシグマさん、待ってください。
ここは私たちに任せてもらえませんか。
アーミヤ
ご承知の通り、この先の道は、天災によって発生した源石の群生地帯になっています。
健康体の方があまり深くまで進んでしまうと、鉱石病への感染リスクは免れません。
ともすれば、深刻な結果に繋がりかねないということです。
それに、感染者の私たちであれば――
ホシグマ
――アーミヤさんが懸命に話すご様子は、実に健気で可愛らしい。何やら、心を打たれるものがありますね。
アーミヤ
……
アーミヤ
わわ、え、ええっと……!?
ホシグマ
はははっ、失礼。今のは忘れてください。
それより、小官を説得しようとお思いのようですが、その必要はありません。あなたの仰りたいことはわかっていますから。
ホシグマ
――近衛局各員、聞け! 方針変更だ! 我々はこれより、ロドスの背中を預かる盾としてこの任務に当たることとする!
レユニオンの出入りを許さぬよう、街の入り口を守るんだ!
感染者の問題は、その専門家に任せるとしよう!
アーミヤ
ホシグマさん……
ホシグマ
ああ、そうそう。私のことは気軽に「ホシグマ」と呼んでいただいて結構ですので。
――チェン隊長のこと、よろしくお願いします。
あの人に死んでもらっては困りますから。
アーミヤ
わかりました、ホシグマ……さん! 必ず、チェン隊長を無事に連れ帰ってきますので!
ホシグマ
ええ。あなた方も、どうかお気をつけて。
アーミヤ
はい!
アーミヤ
ドクター、ついてきてください。
ロドスのみなさんも、準備はいいですか? ――それでは、出発しましょう!
(待っていてください、チェンさん……)
(それに、フロストリーフさん、メテオリーテさん、ジェシカさんも……)
(どうか、持ちこたえて……!)
医療オペレーター
これで、救援可能な範囲の偵察隊は全員、撤退が完了しました!
ですが……状況は、芳しくありません……
ケルシー
……
皮膚は赤く、腫れも見られる……全身の体温が低下し、組織の壊死まで起こっているようだが……
考えられる原因は――
重傷のオペレーター
……っう、ぐ……
ケルシー
凍傷、か?