キラークイーン

セイロン
え? いまの一瞬で、ぜ、全員倒したの? 貴方が…貴方がこんなにすごいなんて知らなかったわ。
想像したことはあったけど…でも……。
シュヴァルツ
いや、その…ですから…この姿はセイロン様には知られたくなかったというか……。
セイロン
でも本当にすごいわ! なんてカッコいいの、シュヴァルツ!
シュヴァルツ
うっ……。あの…セイロン様?
セイロン
こんなに高く跳べるなんて! 壁を駆け上がり、蹴ったかと思えば空中で身を翻して……!
あんなふうに空中で旋回しただけで、全部の攻撃を避けてしまえるなんて!
そして身体をひねったかと思えば、タタタンッ、敵を全員撃ち抜いて……! こんなことって!
シュヴァルツ
セ、セイロン様……そんなふうに仰ると、顔に熱が……。
セイロン
でも、シュヴァルツ、一つだけ強調しておくわ。さっきのは命令したわけじゃない、お友達としてお願いしただけということを覚えておいて。
貴方も遠慮せずに、わたくしに何でも言ってね。
シュヴァルツ
承知いたしました。
セイロン
あら? そういうのは良くないわ。さっきも言ったでしょう?
シュヴァルツ
……えっ?
セイロン
そんな他人行儀な喋り方はもう止めて! わたしたち、お友達なんだから!
シュヴァルツ
えっと……その……わかりました。
セイロン
フフッ。なんだかスッキリしたわ。では次に、急いでシティホールへ向かいましょう。ドクターたちの状況が少し心配だから……。
クローニン
この穀潰し共め、こんな小娘一人止められないのか!?
クローニンの護衛
ですがあれはサルカズです! それに相手は他に何人もいます!
クローニン
「何人もいる」じゃない、「何人かしかいない」だ!
鬱陶しいロドスの連中め、何だってここに!
ヴィグナ
なーんだ、こいつらオリジムシよりも弱っちいみたいだね……。
クローニン
早く増援を集めろ!
クローニンの護衛
ですが、クローニン様……。
無理ですよ。勝てません、集めたところで絶対に勝てません!
クローニン
「ですが」などない! 下がるな!
ヴィグナ
ふぁーあ……ドクター、まだ見つからないの? ライブに間に合わなかったら一生後悔しちゃうじゃない!
ヴィグナ
あ、見つけたの?やっぱり叩けばホコリって出るもんなんだね。メテオリーテ姉さんが言ってた通り、時には暴力も必要なんだね!
クローニン
く、クソッ!
まあいい、逃げられさえすれば後のことはどうにでもなる!
ヴィグナ
あ、ドクター、あいつが窓から逃げるよ!
ヴィグナ
オッケー。
あれ、そう言えば将軍のおじさんがまだ外にいるよね? あのクロなんちゃらとかいうヤツ、逃げないほうがまだマシだったかもね……。
よし、ドクター。資料はあたしが持っていくよ!
クローニン
は、はは……クソったれ!
すぐに、今すぐに仲間を集めなければ!
へラグ
その窓、前回はドクターとセイロン殿が脱出するときに使ったようだな。
そして今回は、立場が逆転してシエスタの天災トランスポーターが飛び出して来るとは。
人生とは儘ならぬものだ、そう思わないか。
クローニン
お……お前! 私の部下はどこだ? 私の部下をどこへやった!?
へラグ
ここにいられては、観光客の邪魔になるのでな。
ついでに、こちらのお嬢様二人は、もう待ちくたびれた様子だぞ。
クローニン
シュヴァルツ……。
お前たち二人が一緒にいるということは……。
へラグ
ドクター、油断はするなよ。窮鼠猫を噛むというからな。
クローニン
お前ら……お前ら……。
セイロン
あなたの計画はもう全て露呈しているわ、クローニン!